2013年05月25日

ペットボトルを直飲みしたら? あとがき。

まだ5月だというのに、連日30度近い気温の日々が続いていますが、
皆さまいかがお過ごしでしょうか。
今からこんな調子じゃ、真夏は一体どうなっちゃうんだか。

さて、夏が始まる前にジュースの試験も終了です。
真夏に同じ試験をしてみたら、もっと菌がわっさー!と生えたデータになったでしょうね。

今回のペットボトルで直飲み試験ですが、
似たような試験はちゃんとした研究者によって、今までにも結構行われています。

例えば

小型ペットボトル飲料を唾液および手指で汚染させた時の細菌数の変化

 この試験では、水、お茶、果汁飲料、乳酸飲料、スポーツ飲料を直飲みした場合の、
 ペットボトル内の菌数を見ています。(ただ、最大時間が20時間までの条件)
 moakoの試験と似ている点は、初期には果汁飲料からはあまり菌が出なかったところ。
 (でもmoako試験では、20時間を越えた後に激増してますが)
 相違点としては、水や緑茶も結構菌が増えてる点。


小型ペットボトル飲用使用における安全性の検討

 これは、水、お茶、スポーツ飲料の3種類を直飲みして、常温と冷所に置いた試験です。
 常温に置いたお茶と水が10時間後位から激増したのに対し、
 冷所に置いた場合は72時間の間でもあまり増えていません。

2つの試験ともスポーツ飲料はあまり菌が増えてませんでした。ちょっと意外。


他にも、国民生活センターでは標準株の菌を混入させて試験されています。
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20000406_1.pdf
菌の種類によって、挙動が違っていて面白い。



上2つの論文で、判断基準として用いられている水質基準は、

 水道法に基づく飲料水水質基準値 
 清涼飲料水の製造基準 

で、いずれも 一般生菌数 100個/ml以下 です。

ただまあ、moakoの試験では口をつけた時点でその基準をドボンしちゃってるので、
ペットボトルで直飲みしちゃダメ、みたいなおかしなことになってしまいます。
そもそも口腔内の唾液には1ml中に1億〜10億個の菌がいると言われているので、
飲料を飲むと、唾液と口腔細菌も一緒に飲んでいるわけですから。

今回の試験の場合、moakoなりに判断するとすると、
初期に混入した菌数から明らかに増加に転じているのは4日目以降。
2日目までは初期菌数とほぼ同じで推移しています。

というわけで、moakoが飲むならば、室温(20℃程度)ならば2日目まではOKと判断します。
逆にいえば、夏場は2日にはもっと菌が増えてるだろうからアウトだろうなー。その日のうちには飲み切らないと。

また、一般的に、食品の一般生菌数が10の7乗〜10の8乗個/gとなると官能的に(ニオイ、味、見た目など)
腐敗した状態になるそうですので、これも一つの目安になるかもしれません。
 http://www.japanfoodnews.co.jp/professor/fuji87.htm

もちろん、人によって疫学的強さも違うので、いやいやもっと菌数多くてもイケる!
って人もいれば、もっと弱くてもお腹を壊す人もいるとは思いますので、

ペットボトルは

 ○なるべく早めにペットボトルは飲みほしましょう!

 ○飲みきれなかったら冷蔵庫で保存しましょう!

 ○直飲みをせず、コップに移して飲みましょう!


以上でした。
posted by moako at 02:13| Comment(10) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月18日

ペットボトルを直飲みしたら? 実験開始14日目&顕微鏡観察。

前記事ではたくさんの皆さんにサイキンのオハナシに遊びに来ていただき
誠にありがとうございました。
一度にこれほどたくさんの方に見ていただいたのは初めてでmoakoもカウンターをチェックしながら
ドキドキと興奮しておりました。

実験条件やらなにやらに色々ご意見もあるでしょうが、moakoなりに興味を持ったことをゆるゆると
書いておりますので、至らぬ点はどうぞご容赦を。


さて。
常温に置いておいたペットボトル。7日間の結果まで前回結果を報告しましたが、さらに7日。
14日間常温放置した場合の菌数のグラフを作ってみました。
もうこうなると、飲む勇気はないので単なる興味です!
 
 14days.gif

おーー!
結局、オレンジジュースの独壇場です!
続いて麦茶。その他の飲料も増えて10000CFU/ml台まで乗ってきました。
水、緑茶、コーヒーはほぼ同じくらいの菌数に収束してきました。

ここまでの菌数になると、麦茶は若干濁り、底にマリモっぽいもわもわした球体が沈んでました。
水は見た目上の変化なし。
残りの3つは、元々濁っていて見た目の変化はわからずでした!


さて。
前回、シャーレに菌が一杯生えた写真を掲載しましたが、
その時、シャーレ上に生えている菌のコロニーが違うことに気が付きました。
元々は大部分がmoakoの口腔細菌+ちょっとの落下菌が混入されていたと思われますが、
14日間ジュースの中で過ごすうちに、其々の飲料の糖分、有機物、pHなどで淘汰・選択され
その環境で一番過ごしやすかった菌が残って増殖したものと思われます。

見たところほぼ単一コロニーだったので、一番優先しているコロニーをグラム染色して観察してみました

@水
白色の小さなコロニー。

  watercolony.JPG

顕微鏡で見るとグラム陰性の桿菌でした。
大腸菌群かどうかは不明です。

A麦茶
優占していたのは水で出たコロニーとよく似た白色コロニーでしたが
顕微鏡で見てみると…

  mugicolony.JPG

酵母の類でした。
デカイ!そしてふてぶてしい(笑)
飲料業界では健康被害こそ少ないものの、
飲料が濁ったり色が変わったり、臭いがついたりしてクレームの原因となる厄介者です。
今回の麦茶も若干濁ってました。

B緑茶
こちらも白色のかわいらしいコロニー。
顕微鏡で見てみると

  greencolony.JPG
グラム陽性の桿菌でした。グラム陽性桿菌では芽胞菌が有名ですが、
芽胞は確認できず。もうちょっと日にちを置いたら見えるのかもしれません。

Cオレンジジュース
最初は菌かオレンジジュースの成分なのか分からなかった位小さな透明コロニー。
顕微鏡で見てみると
やっぱり菌でした(笑)これもグラム陽性桿菌。
Bの緑茶の菌と似てますがコロニーの形は全然違うので多分違う種類の菌だと思います。

  orengecolony.JPG

Dコーヒー
こちらも白いコロニーでしたが、
  coffeecolony.JPG
見てみるとグラム陽性桿菌。菌体がちょっと短めでした。

以上をまとめると

・それぞれの飲料によって優先する菌種が違う。
・水はグラム陰性菌、麦茶、オレンジジュース、コーヒーにはグラム陽性菌、
 麦茶には酵母が優先した。


ここで注意しないといけないことは
今回、測った菌は「一般生菌数」というもので
ある一定の標準的な培地の上で37℃、48時間、好気培養という条件でコロニーを形成した菌の数だけを数えています。
実は菌にもいろんな種類がいて、酸素が嫌いな菌、低温・高温が好きな菌、この培地の栄養では生えれない菌などいろんな性質を持っています。
今回の培養条件にあわなかった菌は当然コロニーを形成していないため、今回検出できなかった菌もたくさんいると考えられます。

それらの菌を検出するためには、また他の方法を使わないといけません。
でも、特別な培地が必要だったり、機器が必要だったりで今のところmoakoにはできません(泣)

もしかしたら、今回は検出できなかった菌がめっちゃ増えてるかもと言う可能性も無きにしも非ずです。
実際、嫌気性の菌とかも見れたら面白そうですけどね。


ペットボトルネタ、次回が最後です。
今回の試験を総括して、周辺の文献調査をして考察らしきものをしてみたいと思います。

もう菌がワサワサ生えた写真は出てこない予定ですのでご安心を。
posted by moako at 01:44| Comment(4) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月05日

ペットボトルを直飲みしたら? 実験開始7日目結果編。

GW真っ只中ですね!!
いい天気になってよかったです。
私はというと、実家での毎年恒例のタケノコ掘りをしてきました。

子どものころからこの時期は竹やぶに入り浸っていたか、この景色はとても落ち着きます。
そして、帰るときには山盛りのタケノコ!!
現在家の冷蔵庫は完全にタケノコに占拠されております。

さて。ペットボトルの菌、続々と培養中です。
室内に放置したペットボトルですが、放置1日目、3日目、5日目、7日目に菌検査をしてみました。
春先の室内、温度は20℃前後といったところでしょうか。
思ったほど暖かくならなかったなー。

それではいよいよ結果を公開。

放置1週間の経日グラフがこれ。

   
  drinkdata.jpg
7日後のシャーレの写真とともに各サンプルの傾向と感想です。
(写真のサンプルは原液を0.1ml塗抹しているので、実際の菌数データの10分の1の菌数になってます)

@水
  mizu.jpg
      7日目 120CFU/ml

有機物分がほとんどないからか、初発の菌数から1週間たってもあまり増えず。
ペットボトルも綺麗なまま。
まあ、予想通り。

A麦茶

  mugitea.jpg
    7日目 5.6×10の3乗CFU/ml

OH!! 予想通りの増えっぷり!!
5日目以降は順調に増えて1週間で10の3乗オーダーに。
ペットボトルは特に見た目も臭いも変化なし。でも、菌は増えてるよ!

B緑茶

  greentea.jpg
     7日目 110CFU/ml

同じお茶の仲間なのに麦茶とは全然違う挙動を示した緑茶。
水と同じくらい増えてない。これはカテキン効果?
ちなみにペットボトルの緑茶、最近は濁りのあるのが流行ってるため、変化がわかりにくい。
これが全部菌体だとしたら、軽く10の8乗くらいはいそうな濁りっぷり。

Cオレンジジュース

  orange.jpg
    7日目 2.0×10の7乗CFU/ml

2日目まではほとんど菌が検出されなかったオレンジジュース。
そかし2日目以降、爆発的に菌が増え始め、7日目には10の7乗という大台に!!
うほーーー!オレンジジュースに一体何があった!!!

なにも生えていないように見えて…
実はこれ全部コロニ―!

   orangebig.jpg
    ※拡大写真(moakoの写真撮影技術は多めに見て下さい)

オレンジジュースも元々濁っているので、見た目で変敗を見ることは難しい。
しかもにおいも元々酸っぱいにおいだから腐って酸っぱくなってもよくわからない。
分かりにくいぜ!!オレンジジュース!!!

Dコーヒー


  coffee.jpg
   7日目 2.2×10の3乗CFU/ml

コーヒーも初期にはあまり増えないものの、日を追ってだんだん増えて行き、
5日目には10の3乗台に。こちらも元々濁ってるから変敗に気が付きにくいので注意が必要。



以上、7日目までではほとんど見た目には変化はないけれど
菌数は人知れず増加していることがわかりました。
これから暑くなってくると、ペットボトルを買って持ち歩く機会も増えますが
25℃以上になるともっと急速に菌数が増えると思われます。

よって7日目時点での菌数は多い順に

オレンジジュース > 麦茶 > コーヒー > 緑茶 > 水 
という結果でした。

オレンジジュースまさかの大健闘!!


そして、当たり前の結論ですが

ペットボトルは早めに飲み切りましょう!


さすがに、菌数見ちゃうと飲むの躊躇しちゃうね…まあ、たいした菌数じゃないんだけどさ。

放置ついでに番外編として、あと1週間放置した結果もUPしますのでもう少しお付き合いください。
ついでにコロニーの観察もしてみようと思います!
posted by moako at 01:39| Comment(43) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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